(講演要旨)
科学報道のありようは大きく変わってきている。本講演では、科学技術政策についての報道を取り上げる。20世紀のそれは、片隅に追いやられている存在だったが、21世紀に入ってから大型記事が増えた。省庁再編を大きなきっかけとして報道態勢も様変わりし、より深い取材をめざすようになったからだろう。政府とそれを報道する側は、共進化する間柄ともいえる。科学技術政策報道の移り変わりから、日本社会における科学技術政策の役割変化が見えてくる。一方で、科学と社会の関係については20年前から一向に変わらない面もある。朝日新聞が展開するWEB言論媒体「WEBRONZA」に演者が書いている記事なども紹介しながら、科学技術イノベーション政策報道のこれまでとこれからについて考えたい。