複雑で不確実な現代の社会経済状況の中で、科学技術イノベーション政策の成否は、わが国のみならず世界的な重要課題の一つです。科学技術イノベーションを振興するための政策課題は、研究開発への公的補助金をはじめ、税制やクラスター政策、産学官連携政策、知財政策や競争政策、各種規制など、府省・地方自治体や技術分野等の境界を越えて広がり、多様化しています。
少子高齢化・厳しい財政状況の下で持続可能性のある科学技術イノベーション政策の立案には、制度設計や研究開発支援策のみならず、その成果が社会で実用化されるまでの様々なプロセスに関係する政策要素を取り込む必要があり、同時に、その企画、立案、実行、評価、修正の過程において客観的根拠に基づいた判断とフィードバックを積み重ねていかなければなりません。
政策研究大学院大学は、ミッドキャリアの政治家・行政官・企業人を政策や戦略のプロフェッショナル、将来の指導者として養成することを目的として、世界的にネットワークを拡大しています。科学技術イノベーション政策に対する高い問題意識を持つ人材が集結し、本プログラムで得られる「政策のための科学」の知見がキャリア形成と政策実践に活かされることを強く期待しています。