文部科学省科学技術イノベーション政策における「政策のための科学」(SciREX)の中核的拠点の核となる、政策研究大学院大学・科学技術イノベーション政策研究センターが発足しました。
センター概要
本センターは、文部科学省「科学技術イノベーション政策における『政策のための科学』推進事業」(SciREX)の中核的拠点機能の核としての役割を果たすため設置されました。
これまでSciREXの下で行われてきた基盤的研究・人材育成、公募型研究開発、政策課題対応型調査研究、データ情報基盤の構築といった取組や、これら以外にも関連する研究や取組が数多く行われてきましたが、それらの蓄積を踏まえて、実際の政策形成への成果の活用や実装を進めるとともに、「政策のための科学」をより発展させていくことが、この中核的拠点機能には求められております。(SciREXの取組全体についてはこちらをご覧ください。)
このような背景を踏まえ、本センターでは、以下のような目的を設定しています。
1) 科学技術イノベーションが関係する諸課題の解決のため、「政策形成」と「研究」を架橋することにより、双方の共進化を促す。
2) このため、政策担当者と研究者、その他関係者が協働する場を提供し、政策側と科学の側の多様な専門性、知見や経験が触発しあうことで、政策課題の解決に資する方法論の開発・試行・実践を行う。
3) これにより、科学的根拠に基づいた合理的な議論と効果的な政策の実現に資する成果(具体的な政策案やシナリオ、政策オプションや、それらを生み出すための方法論や指標、手法等)を生み出す。
これらの目的を達成するため、当センターでは以下のような活動方針に基づき、センターを運営していく予定です。
-政策への実装を志向した研究の実施と、エビデンスに基づいた提言・提案。
-関連する様々なステークホルダーとの議論の場を提供。
-学際的取組や異分野連携の促進。
-現役の政策担当者と連携しつつ、独立性・公平性を確保。
-国内、海外の関連機関と連携・協力。
センターにおける研究活動
センターでは主に3つの研究領域を設定し、それぞれ担当のプログラム・マネージャー(PM)のリーダーシップの下、研究プロジェクトを実施していきます。またこの他に、新規の課題や領域を横断するような課題に対する研究プロジェクトの実施や、様々な政策課題について、政策担当者や利害関係者が参加し議論をする場を運営するための統括チームを設置しています。
これらの活動を行うため、センター長、副センター長、PMによる運営会議を設置し、センター全体の運営方針や実施するプロジェクトの決定、各プログラム同士の連携・協力を進めて行きます。
政策デザイン領域
政策ニーズが高く、かつ複数の府省・関係機関が関係するような課題で、比較的短期での対応が求められるものについて集中的に検討を行い、課題の掘り下げやシナリオ、政策オプションの立案等を行う。
政策分析・影響評価領域
科学技術イノベーション政策のデータ・情報基盤の構築などの取組に基づきつつ、政策オプションの分析・評価とそのための方法論の開発を行う。
政策形成プロセス実践領域
エビデンスに基づく議論・政策立案の実現に向けて、科学技術イノベーションが係わる具体的な事例における政策形成プロセスの課題を明らかにし、それを解決するための方法論の開発等を行う。
組織・体制
センター長
白石 隆
政策研究大学院大学長
副センター長
有本 建男
政策研究大学院大学教授・科学技術イノベーション政策プログラムディレクター
角南 篤 | 黒田 昌裕 | 森田 朗 |
政策研究大学院大学教授・学長補佐 科学技術イノベーション政策プログラムディレクター代理 |
政策研究大学院大学客員教授 慶應義塾大学名誉教授 科学技術振興機構研究開発戦略センター上席フェロー | 政策研究大学院大学客員教授 国立社会保障・人口問題研究所長 東京大学名誉教授 |
沿革
平成24年1月 | 文部科学省「科学技術イノベーション政策における『政策のための科学』推進事業」(SciREX)の基盤的研究・人材育成拠点整備事業おいて、拠点間連携の主導的役割をになう総合拠点として採択 |
平成26年4月7日 | SciREX推進委員会において、基盤的研究・人材育成拠点の総合拠点である本学を中心とした東京大学、一橋大学、大阪大学、京都大学、及び九州大学 (領域開拓拠点) との連携協力・協働の下に中核的拠点機能を整備することが決定 |
平成26年7月11日 | SciREX推進委員会・基盤的研究・人材育成拠点整備のための分科会において、中核的拠点機能の核として、本学に科学技術イノベーション政策研究センターを設置する旨決定 |
平成26年8月1日 | 科学技術イノベーション政策研究センター発足 |
関連リンク