講演者 | 礪波 亜希氏(コペンハーゲン大学政治学部北欧アジア研究所研究員) |
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日時 | 2014年12月1日(月) 17時~19時 (16時40分受付開始) |
場所 | 政策研究大学院大学 4階 研究会室4A (東京都港区六本木7-22-1)(アクセス) |
主催 | 政策研究大学院大学科学技術イノベーション政策プログラム(GIST) |
言語 | 英語 |
参加費 | 無料(事前登録制) |
2013年5月にスウェーデンのキルナで開催された北極評議会(AC)閣僚会合において、6カ国のオブザーバー資格が承認された。ここで最も注目されたのは、6カ国中5カ国がアジア(インド、韓国、シンガポール、中国、日本)であった、ということである。アジア諸国の北極に対する関心の高さは、北極圏国の間に、これらの国々や彼らのビジネスがもたらすであろう影響に対する不安を生んだ。確かに「どのような実績があってアジア諸国が関与するのか」という疑問があるかも知れないが、よく見ると、彼らが北極圏の政治的、経済的また環境の発展に心から関心を寄せていることがわかる。
北極圏における急速な海氷融解及び新たに現れた機会により、近年、北極圏の地政学を扱う文献が増加している。しかし、これらの多くは北極圏国からの視点であり、アジア諸国は国際関係において策略的なアプローチをとっているという仮定に基づき、アジア諸国は天然資源や新たな航路等、変わりゆく北極圏の経済面に最も関心があると結論付けている。これに対し、本研究では、アジア諸国の北極圏への経済的関心は、国益を守るための国家安全保障や経済発展の役割に対するアジア諸国の独自の視点に基づいているということを検証する。