概要
長い間、天然資源、特に再生不可能資源(鉱業など)は発展のためには「のろい」のように受け取られてきた。しかしながら、今日存在する実証的で規範的なエビデンスによると、良好な制度と健全な政策があれば、天然資源は発展のための原動力となる、とされている。
ラテン・アメリカ諸国、特に天然資源に恵まれた国々は1990年代、2000年代の資源ブームにより経済的に繁栄を極めた。しかし、そのブームの中、経済構造が製造業から離れ、資源に頼るようになった。2000年代、ラテン・アメリカでは重要な政策シフトがあり、関心は知識集約活動に移り、さらなる構造変化をもたらした。結果として、2000年代に、天然資源豊富な国々(チリ、コロンビア、ボリビア、ペルー)は天然資源から得た収入を科学、技術、研究、イノベーションに投資するメカニズムを作った。
このような試みは今も続いているが、そのインパクトはまだ限りがあるとされている。このセミナーでは、文献レビューに基づいて作られた一連のデザイン基準を用いて、現存するケースを比較しながら、このような試みを紹介する。セミナーでは比較分析の結果を踏まえ、提案できるメカニズムを実現するための政策提案をする。
講演者略歴
Michiko Iizuka is a policy specialist in the fields of development, innovation sustainability, natural resources and agriculture in developing and emerging countries. Since 2008, she has worked as a Research fellow at the United Nations University Maastricht Economic and Social Research and Training Center for Innovation and Technology (UNU-MERIT). She has DPhil in Science and Technology Policy from SPRU and MPhil in Development Studies from IDS, both at University of Sussex. Prior to working at UNU-MERIT, she worked as a researcher at International Development Center of Japan and United Nations Economic Commission for Latin America and Caribbean.