趣旨
科学技術政策・高等教育政策において、大学の個性化、ミッションの再定義、大学マネジメントの近代化が求められており、関連する政策が展開されつつあります。さらに我が国を含め、国際的な大学ランキングに対する社会的関心が高まってきています。このような状況を受けて、大学の側においても、独自の「戦略」の構築を念頭に置いて、内外の大学とのベンチマーキング等を含む定量的な分析を深めることが必要です。
本研修はこのような大学(研究独法を含む)の研究面を中心とする分析について、基本的な知見、手法の提供を行うとともに大学間の情報交換の場を提供することを通じて、大学の機能強化に貢献することを目的として開催します。
今年度は1日目には論文分析の基礎と、データから読み取る日本の研究環境について講義を行います。2日目にはNISTEPのサイエンスマップおよび大学財務分析・イノベーションデータプラットフォームSPIAS(SciREX Policymaking Intelligent Assistance System)・特許データベース(Orbis IP)といったレポート・データベースに関する情報提供を行い、事例や手法の応用を紹介します。その後、昨年度に引き続き参加者による問題意識の共有・分析方法およびデータに関するディスカッションを参加者全員で行います。このような分析を効率的に実施する基盤を作っていくため、自らも問題意識や考え方を発信する意欲を持つ皆様の参加を期待しています。
【1日目】2019年3月11日(月) 14:00~17:00 会議室3C
※1日目は初心者向け講義となります(最小開催人数5名)
現在提供されている分析結果等についての紹介と大学の部局別論文分析の事例・手法・ツールの紹介を中心に行います。
・ガイダンス・受講者の紹介
・論文から見る国際的な研究動向
・国際的大学ランキング
・日本の大学ベンチマーキングの結果、日独比較
・部局分析用ツールの紹介
【2日目】2019年3月12日(火)10:00~18:00 会議室3C
NISTEPレポート解説および各種データベース(Orbis IP・SPIAS)についての情報の提供を行うと共に、現状分析を研究マネジメントへの応用まで深めていく上での問題意識、方法論等について参加者から発表していただき、全員で討議します。
・NISTEPレポート解説(サイエンスマップ・大学財務分析)
・特許関連データベース(Orbis IP)に関する情報提供
・SPIASに関する情報提供
・マネジメントへの応用に向けた議論の枠組み
・受講者からの問題意識の発表
・現状分析とその応用に関する討議
対象
大学・研究機関の研究企画・評価担当者
URA(University Research Administrator)及びURAとしての進路を希望する方
大学評価・研究評価等に関心を持つ研究者・学生、など
※大学評価等に対する前提知識は問いません。
補足情報
受講者からの発表については、受講者間で共有可能な範囲で結構です。
個別具体的な分析支援のご要望がある場合は、研修終了後に別途検討させていただきます。
必須ではありませんが、ノートパソコンをご持参いただくと便利です。(一部データベースでデモンストレーションを行います)
講師紹介
桑原 輝隆 政策研究大学院大学 非常勤講師
隅蔵 康一 政策研究大学院大学 教授
林 隆之 政策研究大学院大学 教授
伊神 正貫 科学技術・学術政策研究所 科学技術・学術基盤調査研究室長
※サイエンスマップ・大学財務分析に関連する解説のために、科学技術・学術政策研究所から講師をお招きします。
※また、データベースのテクニカルな内容解説や分析事例紹介をしていただく講師を招く予定です。