日時 | 5月28日(水)18:00-19:45(日本時間), 11:00-12:45(中央ヨーロッパ時間) |
---|---|
場所 | Online(zoomアドレスは登録者にお知らせします) |
主催 | GRIPS科学技術イノベーション政策プログラム |
言語 | 英語(通訳なし) |
参加費 | 無料(事前登録必要) |
![]() Andrew S. Hoffman Data steward of the Centre for Science and Technology Studies (CWTS | Leiden University), Netherland |
![]() Kathleen Gregory Researcher of the Centre for Science and Technology Studies (CWTS | Leiden University), Netherland |
モデレーター: 沼尻 保奈美 政策研究大学院大学ポストドクトラルフェロー (ライデン大学CWTS 訪問研究者) |
科学研究がますますデータ集約型かつ共同的なものになるにつれ、研究データは重要な資産として注目されるようになっています。この変化により、研究データをそのライフサイクル全体にわたって効果的に管理し、共有し、再利用するための、高度な専門的な知識と技能が求められるようになっています。こうした流れを受けて、研究データ管理(RDM)に特化した「データ・スチュワード」という新たな専門職が登場し、従来の研究職を補完する形で、研究エコシステムにおける重要な役割を担うようになっています。
データ・スチュワードは、研究データの計画、収集、整理、管理といった業務を、データのライフサイクル全体を通して担います。この新しい専門職には、データに関する高度な技術的知識と、分野特有の研究知識の両方を兼ね備え、それらを橋渡しできる専門性が求められます。そして、こうした専門職が担う実践は「データ・スチュワードシップ」として、独自の専門領域を形成しつつあります。
ライデン大学は、学術機関におけるデータ・スチュワードの制度化において先駆的な役割を果たしています。同大学では、「研究データ管理コミュニティ(Research Data Management Community)」という組織を設け、すべての学部や中央部門の研究者・支援スタッフとデータ・スチュワードが協働しています。このコミュニティでは、各部門で得られた実践的な知見の共有と整備を通じて、大学全体のデータ管理サービスの向上に貢献しています。
本セミナーでは、ライデン大学 科学技術研究センター(CWTS)の取り組みを通じて、データ・スチュワードという新たな職種の実像を探ります。Andrew S. Hoffman 氏と Kathleen Gregory 博士をお招きし、データ・スチュワードとしての経験や、研究データ管理コミュニティの構築に関する知見をご紹介いただきます。欧州において成功を収めてきた理論的枠組みや実践的な導入戦略についてもお話しいただく予定です。
このセミナーは、日本の研究機関において、効果的な研究データ管理体制や実践的なコミュニティをどのように構築できるかを考える機会となることを目指しています。また、こうした新たな専門職が、科学的インフラをどのように再構築し、よりオープンで透明性が高く、協働的な研究環境を創出していくのかについても探っていきます。