学生・修了生の声 VOL.2

学生・修了生の声 Vol.2

宮城あずさ さん2018年9月 科学技術イノベーション政策プログラム(GIST)修士課程修了 (学位:Master of Public Policy)

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2017年 慶應義塾大学総合政策学部 卒業。学部時代は「科学技術政策」と「教育経済学」の2つのゼミに所属し、国立大学の研究生産性の研究に従事。2017年4月より政策研究大学院大学 科学技術イノベーション政策コース 修士課程へ入学。2018年9月修了

GRIPSでの研究

修士論文テーマ:日本における研究者のモビリティーと国際共同研究の関係 ―The Mobility of Researchers and International Collaborations in Japan―

日本の研究者の海外経験がその後の国際共同研究へどのような影響を与えているのか、海外経験を積んだ時期を学部、修士、博士、訪問研究員、ポスドク・常勤研究員の5段階に分け分析。日本における研究者の海外経験は全体として国際共同研究(国際共著論文数、国際共同研究実施)とポジティブな関係性があることが分かった。特に、教育的側面の強い学部や修士段階での海外経験よりも、研究を目的とした博士課程以降の海外経験が国際共同研究へプラスの関係性があることを明らかにした。

GISTプログラムを選んだ理由は何ですか?

大学2年の時に、現在GRIPSの客員教授である上山隆大先生のゼミを通して「科学技術政策」について学んだことがきっかけです。大学では公共政策の一部として「科学技術政策」に触れる程度だったのですが、より特化したプログラムで体系的に学びたいと思い志望しました。

GISTプログラムの魅力はどういったところにあると感じましたか?

主に2点あります。1点目は、科学技術政策について、政策の視点とアカデミアにおける理論の視点の両方を学べることです。科学技術政策に特化し、それを軸にエネルギーや高等教育といった色々な分野について学べるコースはGISTならではだと思います。計量分析ひとつとっても、科学技術分野に適したモデルや理論を知ることができ、学部時代の研究をより専門的に発展できたと実感しています。

2点目は、アジア諸国の学生と共に学べることです。入学当初は、予想外の留学生の多さに戸惑いましたが、これらの学生と学ぶ中で、彼らの視点での「科学技術政策とは何か」を考えさせられました。例えば、発展途上国では、政治が上手く機能していない中どう政策を改善するかが課題です。また、豊富な資源はあるが、それをどう政策に活かすかといった先進国とは異なる状況があり、新興国の視点で「科学技術政策」を捉えた議論は面白かったです。日本はアメリカなど先進国の政策を見本にしがちですが、新興国という違った視点で政策を知ることは、大切なことだと気づかされました。

入学のためにどういった勉強を行いましたか?

論文試験は入試2~3ヶ月前から、過去問を解いて対策しました。加えて、日本の科学技術政策の答申などを読み、近年の科学技術政策の動向を把握するよう努めました。

面接では、学生ならではの視点で話すことを心掛けました。GRIPSは社会人入学される方が多く、私のように学部卒業後に実務で経験を積まず進学する人が少ないため、継続的に研究に携わってきた強みをアピールしました。

どのような授業を受講しましたか?

「ビブリオメトリクス(計量書誌学)とその応用」という授業が印象に残っています。本学は計量書誌学が学べる数少ない大学であり、科学を測るとはどういうことなのか、ハンズオンで学ぶことができます。科学技術・学術政策研究所(以下、NISTEP)の方が担当していた講義も面白かったです。NISTEPの調査報告書をよく読んでいたので、その時の疑問を直接講師にぶつけることができました。

他には、必修科目である「Economics of innovation」では、毎週、英語でのプレゼンテーションがあり、準備に苦労したのを覚えています。プレゼンテーション力が鍛えられました。

修士論文執筆に向けたサポート体制、カリキュラムはどのようなものでしたか?

1年半のプログラムで、多くの学生が最初の1年間で授業を履修し、残り半年で研究論文を書き上げます。秋学期には研究テーマを考え始めるのですが、私は「テーマ設定」につまずきました。学部時代にメタデータ(大学ごとのデータ)を扱う研究ばかりしてきたので、修士では個人単位のデータ(研究者ごとのデータ)を使って分析をしたいという強い希望がありました。しかし、いざデータを探し始めると非公開であることが多く、自分の研究したいことと使用できるデータのマッチングに苦労しました。

計量解析のスキルを上げたいという目標もあったので、私にとって研究対象のデータがとても重要でした。ちょうどその頃、SciREXセンターで研究者の方へアンケート調査を実施していた先生方へ修士論文の相談をする機会がありました。そこで、アンケート調査で収集したデータを利用させていただける事となりました。

その後、イノベーションの計量分析等について鈴木潤先生(専門:イノベーション経営)にご指導を頂きながら、研究を進めることができました。最後まで妥協せず諦めずに良かったなと思います。希望通りのデータを扱った研究が実現できたことは、自分の研究活動においても、大きな一歩となりました

研究を通して、モチベーションを維持することの大変さも痛感しました。特に科学技術イノベーション政策プログラムでは、修士論文を書くにあたっての期限やスケジュールが決まってないので、自由に研究ができる半面、自分で計画的に行わなくてはなりません。タイムマネージメントが重要です。論文の執筆中、一人で悩んでしまうこともありましたが、そんな時は一緒に学ぶ友人が心の支えとなりました。他のコースの学生と分析方法についてディスカッションをしたり、留学生の友人には、英語でのプレゼンテーションの練習に付き合って貰ったりして助けられました。

研究生活以外の学生生活はどういったことをされていたのでしょうか?

院生会(各コースの代表が集まる会)に所属していました。留学生の為に日本取引所グループや水道局への"Study tour" も企画し、企業への手配など全ての段取りを担当しました。授業や研究との両立で忙しかったですが、様々な人と関わる中で、価値観や文化の違いに触れることができ面白かったですし、互いにその違いを理解し受入れながら物事を進める柔軟性が養われたと思います。

今後はどういった分野に進まれたいですか?

イノベーションと貧困の関係について興味があるので、さらに専門的に学んでみたいという思いがあります。もし、アカデミアの道に進むのであれば、海外経験を積んで、将来はグローバルに活躍できる研究者になりたいです。博士課程への進学も視野に入れています。

入学する学生へのメッセージをお願いします

「科学技術」は近年世界的に注目されているトピックです。新しい分野であるため、学問分野として体系立っていないようにも感じます。経済学や社会学など他のバックグラウンドを持った上で、「科学技術」の分野をどう体系的にしていきたいかという意識を持って研究に取り組むといいのではないかと思います。未知の部分が多い分野であるからこそ、やろうと思えば色んな研究が柔軟に出来ると思います。

連絡先

政策研究大学院大学科学技術イノベーション政策プログラム(GIST)
GRIPS Innovation, Science and Technology Policy Program (GIST)

〒106-8677 東京都港区六本木7-22-1 (アクセス
メール:gist-ml@grips.ac.jp
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